夜に修復することが出来なかったひと言

一晩眠っても…

一晩眠っても…

一晩眠ればその日の出来事の70%のことは忘れてしまう…と何かの本に書いてあった。きっとその通りなんだろう。だからわたし達はメモを取るわけだし、携帯電話には相手の電話番号がメモリーしてあるわけだ。

そして寝ている間に70%の事を忘れて、記憶を修復しているからわたし達は嫌なことがあっても生きていられるのだ。

だけど、まれに一晩眠っても全く色せること無く脳裏のうりに焼き付いて消えないことがある。それが、誰かが放ったたったひと言だっとしても、例えばこんな場面では…

冷静な判断力を失った時の人っていうのは…


20代前半の頃、ひと月に何日も飲み会に参加していた時期があった。ひとり暮らしをしていたので寂しさというのも大きかったが、いろいろな飲み会に参加してそこで出会う人と交流を深めていくことに新鮮さを感じていたように思う。

そんな時期に参加したある飲み会で、衝撃的しょうげきてきに恋に落ちたことがある。何度も飲み会に参加していてしかも、当時はサービス業の仕事をしていたから人と話をすることに抵抗が無かった人間が一瞬で上手く話せずに赤面してしまうような人間に変わってしまうほどの劇的げきてきな出会いだった。

ひと月に何日も飲み会に参加していた時期…

ひと月に何日も飲み会に参加していた時期…

そんな状態になると人って冷静な判断力を失い、相手の言動や行動にものすごく敏感びんかんに反応してしまうものだ。

まるで大切な試験の合格発表を待っている時に郵便屋さんのバイクの音にピクッとなるように。

そして、冷静さを失った人間にはだいたい二つの結果が訪れる…ひとつは、反応し過ぎてどっと疲れてしまうか、もうひとつは…

冷静な判断力を失った人間はその対象となる相手の言動や行動に敏感びんかんに反応してしまうもの



何かを確信すると不思議と冷静になれる


何をどう誘っていたか全く覚えていない、きっとたどたどしい会話だったと思う。恋をしているわけだから緊張しているし、相手の目をちゃんと見れていない状態でまともな会話が成立するわけがない。

それでも、何とか二人で会うというステージまでは進むことが出来た。

オシャレなレストランで食事

所帯を持つ=仕事で一人前?/守るべきものを持つ=仕事に身が入る?

二人で初めて会う時は、これまで着たことも無いブランド物のスーツを新調して、ブランド物の靴にバックを身につけて行くほど気合いが入りまくっていた。

初めて二人で会った日はオシャレなレストランで食事をして終わりだった。気の利いた会話も出来ずに緊張しきってたと記憶しているがそれでも、次に会う日も何とか約束することが出来た。

そして、二度目に会った時に確信した。

「この女性は理想の相手だ」

そう思った瞬間に、今まで詰まっていた言葉が口をついてスラスラと出てきた。そして、相手にこちらの気持ちをストレートに伝えることが出来たという満たされた気持ちにひたっていたそんな時、相手からの何気ないひと言で満足感は吹き飛び、返す言葉を失ってしまった。そのひと言というのは…

冷静な判断力を失ってフワフワしている時って、考えが上手くまとまらず言葉に詰まることが多いが、何かを確信すると意外に冷静になれるということ



相手の何気ないひと言に衝撃(しょうげき)を受けて…


“この女性は理想の相手だ!”と確信をしたその直後に、これまで上手く言葉に出来なかった心の中の想いがスラスラと口から出てきて相手に伝えることが出来て、満たされた気持ちにひたっていたそんな時、相手が何気なく放ったひと言が…

「えー、それで私にとって何がいいの?」

一瞬、意味がわからずに相手に聞き返した。

「どういう意味?」

我に返った瞬間…

我に返った瞬間…

その時の相手の答えはこんな感じだった。

理想の女性だと言うこと、最初に会った瞬間に一目惚れしたこと、毎日会いたいと思ってくれているということなど…そう言ってくれるのは嬉しいけど、それが私にとって何の得になるの?ということを知りたいと…

その説明を聴いてすべてを理解した。つまり、何もかもわたしの一方通行であって相手のことを全く見ていなかったのだ。

これまでもそんな風に一方通行に恋をして破れたことは少なくなかったので、またダメだったかぁ…と、落ち込めばいいだけなんだろうけど、この時ばかりは何故か違った。

何故今回は違ったかというと、これまでは恋をして冷静さを失いふわふわした状態のまま物事を進めていたので、上手くいかなかったら感情的に落ち込みそして時が経ち忘れていたが、今回ばかりは冷静さを失った状態から確信を得ることで冷静さを取り戻した状態だったから、不思議とめた頭で状況を相手の放った言葉の意味を考えることが出来たそれは…

何気なく発したつもりでも、それを受け取った相手の状況によって衝撃的なひと言になる言葉があるということ



誰でも自分自身にとって良いか悪いかで判断するもの


理想の女性だと確信したことも、一目惚れしたことも、毎日会いたいと思っていたこともそれって全部こちら側だけの都合で相手にとってはまるで関係の無いことだということを相手が発した何気ない、「えー、それで私にとって何がいいの?」というひと言ですべて理解することが出来た。

相手にとって良いことを真剣に考える

相手にとって良いことを真剣に考える

確かに、言われてみればそうだ。相手にとって何が良いかをまるで伝えていない。だけど、それまでは全くそういったことを考えたことが無かった。だけど、この事件があってから様々な場面でそういうことを考えるようになった。

“相手にとって良いことは何だろう…”

しばらくは全く考えが回らなかった。何故ならこれまで相手にとって良いことはなんだろう?なんて考えたことが無かったからだ。こういうと自己中心的な奴だなぁ…と思われそうだが事実そうだった。

自己中心的にだけ物事を考えて来たから相手にとって良いことなんて…そんな風に思考が巡ると、途端に頭が痛くなり何も考えたくなくなった。

だけど、じゃあもう考えるのは止めてこれからも自己中心的に物事を考えて動くか?と問われたら、そういった考えだとすぐに行き詰まるということを身を持って体験したので嫌だった。

かといって、相手にとって良いことを考えて行動するということはすぐに出来なかった。それでも、こんな風に考えると何とか先に進めていくことが出来ると思ったそれは…

人って、ごく一部の例外を除いて優先順位で言えば自分自身が一番だから、こちらが自己中心的な考えだけで動けばそれは必ず行き詰まってしまうということ



相手にとって得になることで自分自身にとっても得になることを考えてみるが…


我ながら素晴らしい考え方だと思った。これなら、相手も自分も得になるから両方得じゃん!そう考えるとなんだか楽しくなって、いろいろな場面でそう考えるようになった。飲み会の時も仕事の時も相手にとっても自分自身にとっても得になることはなんだろうかと…

相手と自分の両方得をするという考えはハードルが高い

相手と自分の両方得をするという考えはハードルが高い

だけど、それはとても難しいということがすぐにわかった。何故ならまず相手にとって何が得になるのか…というよりも相手のことをわかってないし、それ以前に自分自身が求めていることもイマイチわからない時がよくあったからだ。

数学の公式で、X+Y=ZのZの値を求められて、Xが相手の得で、Yが自分自身の得だとして双方が得になるZを求めなければいけない時に、XもYの値もわかっていない状態でZの値がわかるはずもない…

ビジネス用語で一時、Win-Winウィンウィンという言葉が流行ったことがある。これこそ相手にとっても自分自身にとっても得になるという考え方だけど、実はそれは相当難しい…何故なら世の中の原理から考えても誰かが得をすれば、誰かが損をする仕組みになっているからだ。

例えば二人がどうしても欲しい限定発売のプレミアムなスマホが残り最後の一台だけなら、どちらかが得てどちらかが得られないということは小学生でもわかる。

つまり…相手にとって得になることで自分自身にとっても得になることを実践するということは相当ハードルが高いということ。

じゃあ、相手にとってはどうだかわからないけど、自分自身だけが得をすることを選択していけばいいのかというと、それじゃすぐに行き詰まるし…

そんな時、周りに居る人達で、恋も仕事も人間関係も上手にやっている人達はどんな風に考えてやっているのかをじっくり観察してみた。

そして、そんな彼らから得た答えというのは…

相手にとって得になることで自分自身にとっても得になることを実践するのは相当難しいということ



相手にとって得になることそして、自分自身とって…


天国と地獄を描写びょうしゃしたお話がある。天国も地獄も見た目は全く区別がつかないほど似ていて、丸いテーブルを囲んで大勢の人が座っている。そしてその真ん中に大皿に乗った料理が置かれていて、人々が座っているところからお皿までの距離は遠く、彼らは長いおはし一膳いちぜんだけ持っている状況なんだとか。

天国と地獄はとても良く似ている

天国と地獄はとても良く似ている

それで、彼らは大皿の料理を持っている長いおはしでつかんで食べようとするが、ここで天国と地獄が分かれる。

まず、地獄はその長いおはしでつかんだ食べ物を自らの口に入れようとして届かずに食べ物を落としてしまいヤキモキしているのに対して、天国はその長いおはしでつかんだ食べ物をその丸いテーブルの向こう側に居る人の口元に届けて、食べさせてあげている、そして食べさせてもらった相手はそのお返しにと自らのその長いおはしでつかんだ食べ物をその丸いテーブルの向こう側に居る人の口元に届けて食べさせてあげているというもの。

こういう話を聞くと、そうかぁそれなら皆そうすればいいじゃん!と安易に納得する人もいるかもしれないが、現実はそんなに簡単じゃない。丸いテーブルの向こう側に居る人に食べ物を届けても相手が必ずお返ししてくれる保証なんてどこにもない。

だけど、恋も仕事も人間関係も上手くやっている人はほぼ例外なく、持っている長いおはしでつかんだ食べ物を丸いテーブルの向こう側に居る人の口元に届けてあげている。そして、高い確率でお返しを受け取っているのだ。

つまり、こういうことかと思う。

相手にとって得になることで、自分自身にとっては“徳”になることをする!

ここで言う“徳”とは利益を得るという得のことじゃなくて、功徳くどくを積むという意味合いだ。

だけど、ここには大きな疑問がひとつ残るそれは…

相手にとって得になることで自分自身とっても得になることは難しいので、相手にとって得になることで、自分自身とっては“徳”になることをする!



そんなことをすれば、相手ばかりが得をして自分自身は干からびてしまうんじゃ…


もしかしたら、あなたはこんな風に考えたかもしれない…そんなことしたら、相手ばかり得して自分自身は干からびてしまうんじゃないかと…確かにあることを見極めないとそうなってしまう。実際にわたし自身、こういった考えで生きてみて何度も干からびかけてきたし…(笑)

慎重に相手を選びしくじっても諦めない

慎重に相手を選びしくじっても諦めない

また、そんなことはお坊さんとかそういった別世界の人達じゃないと出来ないよ…とも思っていた。だけど、恋も仕事も人間関係も上手く出来ている人もそうだが、事業活動ビジネスで大成功をして幸せな人生を送っている人はまず例外なく、相手にとって得になることで自分自身とっては“徳”になることをされている。

きっと彼らも相手にとって何が得なのか?を頭がちぎれるほど考えて答えを出しているんだろうし、何度も何度もしくじって経験を積んでいることだろう。

きっと、そのしくじりというのは選ぶ相手を何度も間違えてしまった…ということじゃないかと思う。

つまり、選ぶ相手を間違えるとどれだけ持っている長いおはしでテーブルの向こう側の相手の口元に食べ物を運んであげても、相手はただ食べるだけで一向にこちらに返しては来ないということだ。そしてそういうしくじりは当たり前のように起こっている。

だけど彼らは、しくじってもあきらめずに人を見る目を養い慎重に相手を選べるようになっていったんだろう。

だから、彼らは恋も仕事も人間関係も上手くいっているのだ。

だけど…

自分自身が干からびてしまわないように、慎重に相手を選び、たとえしくじってもあきらめずに続けていくこと



恋も仕事も人間関係もお手軽に簡単便利に上手くいく方法は無い…


いやぁ…そんな面倒くさい。相手にとって得になることを考えるだけの価値がある相手かどうかを選ぶなんてやってことないし、そもそも相手にとって得になることなんてそんなのわからないよ。まして、自分自身にとって“徳”になっても、それが何になるのか…

お手軽な簡単便利な方法って味気ないし身につかない

お手軽な簡単便利な方法って味気ないし身につかない

と、考えてしまうのが一般的なんだろうなぁと思う。実際、わたし自身も長らくそういう考えて動いていて行き詰まることばかりだったから(笑)

人間ってほっといたら自己中心的になる生き物だから、相手のことを考えるのって実はきっと苦痛なんだろうなぁって。だけど何でもそうだけど、お手軽な簡単便利な方法って味気ないし身につかない。

カップラーメンはお手軽な簡単便利な食事だけど、毎日そればっかりじゃ味気ないし料理の技術も身につかない。

でも、いきなり相手にとって得になることを心が砕けるほど考えるのって、それって材料も調理器具も何もないところでいきなり料理をするのと同じように難しいことだからまずは…

お手軽便利簡単な方法って味気ないし何も身につかない。



動くこと


人との出会いがある場所に行ってみる。

出会った人と交流が出来る環境に身をおいてみる。

二人が難しいなら何人かでご飯に行ってみる。

まずは動くこと、春だし。

まずは動くこと、春だし。

そうしているうちに、夜に修復することが出来なかった相手からのひと言に“ドーンッ”と考えてしまうことがきっと起こる。そして思考を張り巡らせていろいろと動いているうちに、答えが見えてくるんだろうなぁって。

だから、まずは動くことかなって思う…春だし。

まずは動くこと、春だし。



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